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Posted on 2013-10-25
10月21日号に掲載されたコラム『おもてなし接客術』①です。
「おもてなしとは思ってなすこと」
「おもてなし」という言葉はご存じでしょうか。
先月、2020年のオリンピック開催都市が東京に決まりましたが、
その際のスピーチといえばこの「おもてなし」というキーワードを
思い浮かべる方も多いかもしれません。
このこともあって、とりわけ最近よく耳にする「おもてなし」という言葉ですが、
皆さんは言葉の意味を説明できますか。
私は、次のように捉えています。おもてなしとは、お客様のようすを見て「思ってなす」こと。
つまり、表情や態度、動作からお客様の気持ちを感じ取り、どうしたら喜んでいただけるかを
考えながら行動することです。
皆さんがおもてなし接客ができたと思っても、お客様に伝わっていなければ、
それはおもてなし接客とは言えません。ただの接客が「一方的」なものだとすれば、
おもてなし接客は「相互的」なものなのです。実例を挙げて紹介します。
学生時代にあるファーストフード店でアルバイトをしていたとき、
トレイにセットするポテトの向きについて議論をしました。
当時のマニュアルには、ポテトの容器に印刷されているマーク(店のロゴ)が、
お客様から見て逆さにならないように、トレイの上にセットしてお出しするよう記載されていました。
「マークの向きがそろっていて気持ちが良い」と満足する人もいるかもしれませんが、
他方では、「なぜ食べづらい向きでセットするのか?」と、不満に思う人もいるかもしれません。
反対に、あらかじめ食べやすいようにセットすると、マークの向きが逆さになってしまうので
「セットの向きがおかしい」と違和感を持つ人もいるかもしれません。
あるいは「食べやすい向きでセットするなんてさすが」という人もいらっしゃるかもしれません。
結局、おもてなしに正解は無く、受け手次第で良くも悪くもなるものです。
同じ行動をとっても評価はまちまちで、接客をする側は、常に自分がお客様だったらどう感じるか、
といった考えや信念を持って行動することが求められています。
ちなみに、当時の私は、自分がお客様だったらマークの向き云々よりも、
食べやすい方が良いと考え、マニュアルに逆らった行動をとっていました。
普段、皆さんがしているのは「ただの接客」でしょうか。
それとも、「おもてなし接客」でしょうか。
何も考えずに、どのお客様に対しても同じ対応をするのは、ただの接客です。
このコラムでは、私が今まで培ってきた研修講師としての経験や、お客様体験を活かして、
なぜ今「おもてなし接客」が求められているのか、そして、ただの接客を「おもてなし接客」にするには
どのようにすればよいかといった具体的な手法を紹介して参ります。
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株式会社観光文化研究所 井川今日子
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