blog. 連載コラム~おもてなし接客術~

『おもてなし接客術』⑳―「クレームを未然に防ぐ」

Posted on 2016-08-21

旬刊旅行新聞8月21日に掲載されたコラム『おもてなし接客術』⑳です。
「クレームを未然に防ぐ」

おもてなし接客術⑳

お客様のことを“思って”“為す”おもてなし接客には、お客様を喜ばせるだけではなく、時にはお客様の感情のコントロールが必要となる場合もあります。旅館が良かれと思ってしていることが、お客様に伝わらないと思ったことはありませんか。

例えば、女将の挨拶。
「女将の挨拶があってこそ旅館の醍醐味」と考えるお客様もいれば、宿泊先ではプライベートな時間を大切にしたい」もしくは「寛ぐのが目的」などの理由で、「女将の挨拶は不要」と考える方もいます。 両方の意見を持ったお客様が同じ旅館に泊まるので、女将が挨拶をしてもクレームになるし、挨拶をしなくてもクレームになるわけです。

チェックイン時間前の宿の状態については、電気を消して真っ暗にしていると「営業時間前なのだから暗くて当然。省エネ(環境)に配慮できている旅館」と評価される一方で、「お客様が到着するかもしれないのにもかかわらず、真っ暗にしているなんて信じられない」と酷評するお客様もいます。

この、2つの考え方を持ったお客様が1つの旅館に泊まられるので、何をしてもクレームになるということです。接客においてはこの点を肝に銘じておかなければなりません。

お客様の中には「旅館はこうあるべきだ」という強い固定観念を持って、たまたま宿泊した旅館に押し付ける方もいますが、“あまり”それに振り回されず、お客様の意向に迎合せずに、宿の考えを主張することは宿の独自性を出すという意味でも、大事なことだと私は考えています。

クレームを頂くことに対して、開き直っても良いというつもりは毛頭ありませんが、常識的な範囲内での宿のスタンスから生じる、ある程度のクレームはしょうがないということです。

それでは、このように両極端の評価を下すお客様たちに、どのような対策が取れるでしょうか。これには接客中に宿のスタンスをきちんと説明して、“クレームを軽減する”ことをお勧めしています。

ポイントは理由を説明して前置きをしておく。ある意味では【言い訳】をしておくということです。

例えば、女将が挨拶に伺うことを基本としている旅館では、「女将がお客様一人ひとりとご挨拶がしたいと申しておりまして、お食事の際に少しお邪魔してもよろしいでしょうか」と事前にお伺いする。

反対に、女将が挨拶に伺わないことを基本としている旅館では「ご滞在中はお客様に寛いでいただくことを大事に考えておりますので、女将の挨拶は控えさせていただきます」と、ご理解をいただく。

このように理由と前置きがあれば、多くのお客様は納得してくれなくても理解はしてくれるかもしれません。

お客様の一部に、クレームになりそうと考えられる側面があれば、このように予めお客様の感情のコントロールをしておくことも大事です。

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株式会社観光文化研究所 井川今日子

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