連載コラム~おもてなし接客術~

『おもてなし接客術』㉝―「おもてなしも程々に」

Posted on 2018-10-11

旬刊旅行新聞9月11日に掲載されたコラム『おもてなし接客術』㉝です。

「おもてなしも程々に」

支援先のゴルフ場で7、8月は前年対比マイナスという残念な結果となってしまいました。6月までは同比プラスと好調に推移してため、悔しさもひとしおです。マイナス要因は、昨年が冷夏でプレーヤーが例年よりも多く、今年は異常な酷暑でプレーヤーが少なかったことに尽きます。

 昨年8月の東京エリアの天気は、最高気温が31度以下の日は16日でしたが、今年はわずか6日しかなかったようです。ゴルフ場のように冷夏の方が繁盛する業種もある一方で、猛暑で繁盛する業種もあります。

ただ、あまりに極端だと、色々と不都合が出てきます。やはり何事も“程々が好ましい”という言葉が当てはまると思います。このことは言わずもがな「接客・おもてなし」についても当てはまります。

 顧客満足について考えると、「少しやりすぎかな」というくらいのことをしないと、お客様の印象に残らないという考え方があります。控え目にすると、お客様の印象に残らないうえに、控え目“過ぎる”と「こんなこともしないのか」とサービス不足とみなされ、クレームになってしまうのです。

 お客様が快適に思う「接客・おもてなし」の“程度”は、人によっても異なります。実にコントロールが難しいものの、お客様が深層心理で求めているのは、「(お客様個々人の)程度をわきまえた接客・おもてなし」にほかなりません。

 現在マニュアル作成の支援をしている旅館で、①お子様のお名前を聞き、滞在中はお名前を呼んで差し上げてはどうか②お子様にはウェルカムドリンクに大人と同じお茶ではなく、ジュースを提供して差し上げたらどうか――と、子供連れのお客様向けの対応を提案しました。

 旅館からの共感は得ることができましたが、①については、あまりにたくさんのお子さんの名前を呼んでしまって「耳障りだ」と逆効果になることがあるので、目安の上限回数を決めたい、ということになりました。

 ②については「子供扱いせずに、大人と同じにしてほしい」という意見(主にインバウンド客より)もありました。

 また、旅行中は“いい子”でいてもらうためにジュースをあげることが多く、親としては必要以上にあげたくないといった意見もあり、これまで通りで行くことになりました。

 あくまで一例ですが、こちらが喜んでもらいたいと思ってしたことが、お客様にとっては程度を超えて映ってしまう可能性があることは、心得ておかなければなりません。

 スタッフの配慮の食い違いを少しでも無くすために、お客様に質問をするなどのコミュニケーションをとることは大事なのですが、やはりこれも程々が求められます。

 つくづく旅館接客の複雑さや求められるレベルの高さを思い知らされます。

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株式会社観光文化研究所 井川今日子

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