連載コラム~おもてなし接客術~

『おもてなし接客術』㉞―「観光地としてのおもてなし」

Posted on 2018-12-11

旬刊旅行新聞12月11日に掲載されたコラム『おもてなし接客術』㉞です。

「観光地としてのおもてなし」

先日、小樽市で開催された「観光関連産業で求められる人材育成講座」内の一講座で、「道内・国内観光客に対する魅力の発信とおもてなし」というテーマで講演をさせていただきました。

講座の一部では、おもてなしについて講義し理解を深めてもらったうえで、滞在前・滞在中・滞在後という時系列に沿って、どのようなおもてなしが提供できるかを、ワークショップで議論してもらいました。

受講者からは、「小樽」という町を軸にさまざまな施策を考えて発表してもらいました。なかでも印象的だったのは、滞在後の「小樽市に対する評価を聞くアンケートを実施する」というものでした。

私は「旅館」の研修を通じて、滞在前・滞在中・滞在後にどのような「おもてなし」を提供できるかに試行錯誤していますが、「観光地」という視点では、深く考えたことがありませんでした。旅行をしていると、国や地方の行政単位でも「〇〇(国名や地域名)の人は、皆さん温かかった」という感想を耳にすることがあります。

やはり、その地域の印象がそのまま評価につながっており、旅行のし易さや魅力度向上につながっています。

旅の中継地点である飲食店や宿では、口コミを投稿できるサイトが普及し、常に評価の目に晒されています。

一方で、その中継地をつなぐ交通手段や観光案内所、地元商店の人々、さらに当該観光地のWebサイトや交通・観光案内の仕方(看板など)を含めた観光客視点の利便性などは、評価されても、それをダイレクトに主体者側が把握する仕組みは、整っていないように思います。

具体的には、「〇〇観光案内所のスタッフの対応が良かった/悪かった」や「〇〇温泉のWebサイトの作りが時代遅れで、スマホでの閲覧がしづらかった」というようなことです。

旅行中に色々と感動したり、不満に思うことはあっても、その感想や評価を当事者に伝える環境が整っていないのです。

SNS(交流サイト)で自身の行動や思いを積極的に発信している人は、感じたことをアップしているかもしれませんが、それが相手に伝わっているかは、また別の話です。

余程のことであれば、相手先に直接クレームを言う人もいるかもしれませんが、大体は仲間同士で愚痴を言って終わってしまうのがふつうです。

それが旅館であれば、予約サイトの口コミ投稿機能が発達しているため、お客様の些細な感想も(嫌でも)把握しやすい環境が整っているわけです。

お付き合い先の旅館でも、お客様の声から改善を積み重ねてレベルを、めきめきと上げているところは少なくありません。

そう考えると、「観光地」という視点ではまだまだ改善の余地があり、そこに目を向けることで発展が期待できるものと思います。

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株式会社観光文化研究所 井川今日子

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