コロナ対応で顧客満足度を落とさないための3つのポイント
Posted on 2020-07-09
宿側としては、極力お客様と密接にならないように(当然お客様もそれを求めている)と、お客様のところへ行く回数を減らそうとする傾向にあります。
しかしながら、お客様の立ち場になると、ドリンクの注文や次の料理を持って来てほしい等の用事を頼みたくてもスタッフが来てくれないがために不満が募ってしまうケースも少なくありません。
良かれと思ってしていることが裏目に出てしまい、コロナ対策をし(過ぎ)たが為に顧客離れを招いてしまっては元も子もありません。
ベテランスタッフもこのような異常事態は経験したことが無く、どの程度関与したら良いかを調整するのにこれまでの経験が通用しないので、対応に苦慮しているのではないでしょうか。
コロナ対策を講じた接客を行う上で、顧客満足度を下げないポイントとして
1.お客様に手間や面倒を掛けないこと
2.共感や利点を示すこと
3.代替案を用意すること
以上の3つをお勧めしております。
1.に関しては、スマホのアプリ等これだけ便利なツールが普及している世の中ですので、利便性に価値を感じる方が多くいらっしゃいます。
感染防止対策の為にと、部屋に荷物を運ぶサービスや、荷物の台車の貸し出しを止めるといったことは不便に感じるはずで、スタッフが手袋をはめたり、台車を消毒すれば済む問題です。
また、バイキングの会場で食事を取る時に「必ず使い捨ての手袋を着用していただく」というのも面倒ですので、代わりにバイキング会場入場時に必ずアルコール消毒を徹底していただけば良いわけです。
感染対策を行った上で、極力お客様に手間を掛けないように工夫することが重要です。
2.は、館内でマスクを着用してくださらないお客様を見かけた時に「マスク着用にご協力をお願いいたします」とだけ言うのではなく、
「ご面倒ではありますが、他のお客様がいらっしゃるところでは、お客様ご自身の感染防止の為にもマスクの着用をお勧めしております」と言った方が聞こえが良いと思います。お客様をバイ菌扱いしていないという姿勢を示せますし、お客様自身にもメリットがあるというメッセージを載せることができます。
ただでさえ、コロナウイルスにこれまで当たり前で会った日常を奪われ、ピリピリしている方も多いはずです。発するメッセージを受け取るお客様がどう感じるかという心理を最大限丁寧に考えた言い回しをします。
3.は、感染予防に対する感度は人それぞれですので、個々のお客様になるべく寄り添いアレンジして差し上げることが好ましいです。
例えば、チェックインの際にお客様の往来が集中するからと客室迄の案内を控えている場合でも、特にご高齢のお客様等がフロントでの館内地図を使った説明だけでは不安を感じていらっしゃるようであれば、「よろしければ他のお客様のチェックインが少し落ち着いた頃に館内をご案内差し上げましょうか?〇時頃のご案内ではご都合いかがでしょうか。」と代わりの案を提示することもできます。
対応するスタッフが「客室迄の案内を止めた」理由や目的を正しく把握していれば上記のような代替案の提案ができるはずです。
コロナ対策で、目に見える形では省いた接客対応も多く、お客様からすると不足や不便を感じることも多いと思います。
場面数としては引き算となってしまいます。
その分、対応の質は足し算するとして“おもてなし”を強化して顧客満足度を落とさずに、維持・向上させる取り組みを導入することをお勧めします。
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株式会社観光文化研究所 井川今日子
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