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外国人スタッフを交えた研修をする場合の5つのポイント

Posted on 2021-02-02

厚生労働省および内閣府の資料によると、2019年10月末現在の外国人労働者数は1,659千人であり、2008年が486千人であったのに対し、この10年間で1,173千人(341.3%)の増加となっています。

外国人労働者数と就業者全体に占める割合は、2008年は0.8%であったのに対し、2018年は2.2%にも及んでいます。

国籍別では、中国で418千人(25.2%)で最も多く、次いでベトナムが401千人(24.2%)、フィリピンが180千人(10.8%)、ブラジルが135千人(8.2%)、ネパールが92千人(5.5%)の順となっています。

産業別では、「製造業」が483千人(29.1%)で最も多く、次いで「サービス業(他に分類されないもの)」が267千人(16.1%)、「卸売業・小売業」が213千人(12.8%)、「宿泊業・飲食サービス業」206千人(12.5%)、建設業93千人(5.6%)の順となっています。

皆さんご存知の通り、宿泊業にも多くの外国人労働者が就労するようになっており、このコロナ禍でもその風潮は変わることはありません。

ここ最近では旅館の新入社員向けの研修にも外国人スタッフが複数名参加するようになり、研修内容や時間配分も外国人スタッフ向けの内容にカスタマイズしており、参加する外国人スタッフの出身国によって内容に違いを出したりもしています。

今回のメールマガジンでは、外国人スタッフを交えた研修をする際のポイントを5つ紹介しようと思います。

1.ホテルと旅館の違いを明確にする
2.日本人の国民性を理解する
3.おもてなしについて認識を深める
4.身なり・動作>言葉
5.周辺観光地の実地研修に連れていく


1.ホテルと旅館の違いを明確にする

旅館に就労する外国人スタッフでも旅館に泊まったことが無い方がほとんどです。
外国人が旅館に求めるものは、日本文化を体験するといった明確な役割がありますが、日本人が旅館求める役割はあまり理解していないかも知れません。

旅館に泊まったことがあるとしても、日本人が(リゾート)ホテルと旅館に求めるものの違いを認識していないことが多いでしょう。

一例をあげると、
・ホテル⇒長期滞在/大規模/不特定多数の人が出入りする/スタッフとの関係性は浅い
・旅 館⇒短期滞在/小規模/特定の人だけが滞在する/スタッフとの関係性は深い

このような対比をさせて、旅館よりもホテルの方がスタッフの接客・おもてなしに求める期待値が高い等と説明します。


2.日本人の国民性を理解する

・時間に対しする考え方⇒厳しい、基本的には5分前行動
・礼儀⇒正しい、しきたりや席次や順序等を大事にする
・仕事に対する姿勢⇒仕事第一主義、したがって(仕事中の)スタッフに対しても求めるレベルが高い
・協調性⇒高い、皆が評価しているものが好き
・自己主張⇒あまりしない、後からクレームを付けられることが多い
・企業とお客様の関係⇒常にお客様が上、常に下手(したて)に出ると良い

このような国民性であると理解を深めてもらい、日本人のお客様と接する時に把握しておいて欲しい点として紹介します。

一方で、研修に参加している出身国の国民性についても言及すると良いでしょう。
先日の研修では、ベトナムとネパールから来日した方がいらしたので、各国の国民性について調べてみると以下のようなことが挙げられていました。

・ベトナムは、器用、向学心旺盛、近視眼的、カカア天下
・ネパールは、素直・従順、人懐っこい・人が好き、遠慮深い、アバウト

※ちなみに研修では、気分良く受講していただけるように、【短所】については触れずに【長所】だけを挙げることをお勧めします。

日本人の国民性も各国の国民性もあくまで一般論ではありますが、両国を比較するのも興味深く、勉強になります。
例えば、ネパールは日本と同様、席次等を大事にする習慣があるけれど、ベトナムにはそのような文化はないとのことでした。そのため、ベトナムの方には特に場所の意味や順序を気を付けることを強調すると良いと思います。


3.おもてなしについて認識を深める

日本人なら何となくでも理解している「おもてなし」ですが、外国人は今一つ「おもてなし」が何を指すかを把握できていないようです。

例えば、日本人スタッフに「『おもてなし』ってどんなことを指すか?」を質問すると、「お客様に喜んでいただく」とか「お客様を感動させる」という回答があるのに対し、外国人スタッフに同じ質問をすると、「接客よりももっとカッチリ、しっかりしたもの」という返事が返ってきます。

私の定義ですが、「おもてなし」は「お客様を思って為すこと」と捉えている為、その点を説明しながら「どうしたらおもてなしが提供できるようになるか?」
を、実践練習を交えながら認識を深めていただきました。


4.身なり・動作>言葉(言葉よりも所作・立ち居振る舞いを重視する)

特に外国人スタッフの印象を決定付ける要因としては、ことばを流暢に話せるかよりも、身なりが整っているか、お客様に失礼の無い動きができているかの方が重要でありますし、彼らも話し方よりも動作を直す方がはるかに簡単であるのは皆さんご承知の通りです。

襖を叩いたり、テーブルや畳の上で物を引きずったり、お盆を跨いで歩いたり、中腰のまま接客をしたり、敷居や畳の縁を踏んだり、床の間の前を通ったりというのは、外国人スタッフに良く見かけるNG動作です。

外国人スタッフの皆さんはただ知らないだけで、ダメな理由を1つ1つ説明しながら指摘をすれば直ぐに動作を改めることができます。

接客のトレーニングをする際は、ことばの部分は二の次にして、まずは見栄えの良い姿勢が取れるか、分離礼でのお辞儀ができるか、日本のしきたりに沿った行動がとれるかを徹底することをお勧めします。


5.周辺観光地の実地研修に連れていく

ゆくゆくは宿泊客に観光案内ができるように、周辺の観光地に“連れていく”ことをお勧めします。

地理や歴史といったその土地の文化的な背景を理解してもらう為にも、日本人スタッフも付き添って案内をしながら行くと良いでしょう。

実地研修に連れていくことは、観光案内をできるようにするためでなく、その土地のことを知ってもらい愛着を持ってもらうことで、離職を防ぐという狙いもあります。


いかがでしたでしょうか。

外国人スタッフは真面目で勉強熱心な方が多いため、研修のし甲斐があるというのがこれまで私が研修を担当した感想です。

これから外国人スタッフを交えた研修を予定されている皆様のご参考になれば幸いです。

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株式会社観光文化研究所 井川今日子

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