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新入社員研修で伝えたい『人が接客をする価値』と『接客の3つのポイント』

Posted on 2021-03-16

間もなく4月を迎え、新入社員を迎える企業もあるかと存じます。

私もこの時期は旅館の新入社員研修を担当させていただいております。

昨年より新型コロナの感染拡大防止の為、引き続き接客場面や会話を控えている宿も多いですが、新入社員研修ではコロナ以前の普段通りの接客・おもてなしの重要性を伝えていきたいと考えております。

今年の新入社員研修でスタッフの皆さんに伝ようと思っているのは、『人がする接客の価値』についてです。

宿泊業界でも生産性向上やコロナ対応を目的として、自動精算機やチャットボット、ブッフェ会場での自動盛り付け機等を導入が進んでおり、人を介さない接客場面が徐々に増えつつあります。

そのような中で、スタッフがする接客というのはどういう意味を持つのかを考え、紙面で済まそうと思えば済ませられる説明を敢えて人がするという接客の必要性を見出して頂き、生身の人間が対応する価値を最大限表現してほしいと思っています。

併せて、旅館業の醍醐味である接客について以下の3つのポイントをお伝えしようと企画しています。

1.接客は掛け算である
2.接客業は信頼業である
3.コミュニケーションを正しく理解する

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1.接客は掛け算である
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旅館業はお客様との接点・接客時間が多いことからも、接客業の代表格であると言えます。旅館経営者の多くは、常にスタッフの接客力を上げたいと考えていることと思います。

接客を受けているお客様は、無意識にも常に宿を評価しています。
評価の仕方は足し算・引き算ではなく、掛け算であると認識しましょう。

仮に、以下のような評点基準を持っているとします。
◎(良く できている)・・・2点
〇(普通にできている)・・・1点
✖(全くできていない)・・・0点

例えば、身だしなみはしっかりできているけれど、表情に問題があるスタッフがいるとします。そうすると、身だしなみ⇒2点、表情⇒0点という評価が下されます。この時の計算式は、

 身だしなみ(2点)+表情(0点)=2点 ではなく、

 身だしなみ(2点)×表情(0点)=0点 となるということです。

他の項目で、いくら◎や○の評価を得られても、1項目で✖(0点)の評価を貰ってしまえば、評価は0点にしかならないということです。

これは接客だけでなく、あらゆる評価軸やスタッフにも置き換えて説明することができます。
例えば、いくら料理が良くても、清掃ができていなければ
料理◎(2点)×清掃✖(0点)=で0点の評価となってしまいますし、いくらスタッフAさんが良くても、スタッフBさんができていなければAさん◎(2点)×Bさん✖(0点)=0点の評価となってしまいます。

但し、ひとたび0点の評価をされてしまったからと言って諦める必要はありません。
お客様は、✖の評価を薄めたり帳消しできる出来事があれば、✖を除いた評価をしてくださいます。
実際に0点評価が少ないのはこのような心理状況が働いているためです。

従って、まずは0点評価を貰わない体制作りをすることが大切です。

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2.接客業は信頼業である
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顧客満足という言葉があります。リピーターやクチコミを生み、集客や売上を左右する非常に重要なものですが、この顧客満足を獲得するというは、お客様の信頼を獲得することだと考えています。

例えば、予約時に伝えた食材のアレルギー情報がきちんと接客の現場に伝わっていて他の食材が並んでいれば信頼できる宿になりますし、逆にアレルギー食材が堂々と目の前に並んでしまうようなことがあれば、信頼できない宿というレッテルを張られるでしょう。

このように、たった1つの顧客情報の伝達が上手く行ったか行かなかったかで宿の評価は180度変わります。

接客業に於いては、「お客様の信頼を失わずに、尚且つ新たな信頼を得られること」に注力しなければなりません。
信頼を失わないように努めることで安心できる滞在ができ、信頼を獲得することが顧客満足に繋がります。

【信頼を失わない】とは?
・常識のある対応ができること。
・宿泊プランに記載された通りの食事や特典を提供すること。
・予約時に伝えられた要望において、承諾したものに関してはきちんと履行す ること。
等が挙げられます。

【信頼を獲得する】とは?
・咄嗟の対応ができること。
・予め聞かされていないお客様からの要望や問い合わせにしっかりと対応できること。
・お客様の様子を観察しながら、気の利いた(先回りの)対応ができること。
等が挙げられます。

信頼の積み重ねが、企業としての信用を生んでいくことに繋がります。

まずは、信頼を失わない素地をしっかり整えてから、信頼を獲得するスキルを身に付けることをお勧めします。

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3.コミュニケーションについて理解すること
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そもそも「コミュニケーション」とは…
気持・意見などを、言葉などを通じて相手に伝えること。通じ合い。
社会生活を営む人間の間で行われる知覚・感情・思考の伝達。 動物個体間での、
身振りや音声・匂い等による情報の伝達。
という定義があります。

「気持ちや意見、知覚・感情・思考」の伝達というのがコミュニケーションです。
客室案内や料理説明をしてコミュニケーションをとったつもりになっているスタッフが多いですが、それは一方的な説明でしかなく、取り扱い説明書を読み上げているようなものです。

スタッフ自身が考えて発信したことがコミュニケーションですので、スタッフがお客様を気遣ったことや、興味・感心を持って質問したことこそがコミュニケーションです。

また、言葉だけでなく、身振りや音声、匂いもコミュニケーションの手段です
やはりスタッフ自身の気持ちや意見を表すものですので、相手にとって失礼な状態であれば、相手を侮辱していることにも繋がりかねず、非言語の部分からもお客様を尊重している姿勢を伝えなければなりません。

これらを踏まえて、お客様とコミュニケーションをとるとはどういうことかについて理解を深めるとより良い接客・おもてなしが提供できるようになります。


今年の新入社員研修では、このような点を踏まえつつ接客の形をお教えしたいと考えています。

 

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株式会社観光文化研究所 井川今日子

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