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緊急事態宣言等、お客様都合だけではないキャンセル料の徴収について

Posted on 2021-05-11

連休前に3回目の緊急事態宣言が発令され、それに伴う予約の鈍化やキャンセル被害も少なくなかったと思います。

その際に、「緊急事態宣言が出たから…」「まん延防止措置が出たから…」という理由でキャンセルをするお客様も多かったのではないでしょうか。

年末年始と違い、今回は国がキャンセル料を補填するという動きは無かったのですから、規定のキャンセル料をお支払い頂くのが然るべき対応ですが「このような時期だから仕方無い」と鼻からキャンセル料の徴収を諦めている宿泊施設が多いのが実情です。

このように宿泊施設によってキャンセル料を取る・取らないのバラつきがあるのは、以前より懸念している問題です。
お客様側に「A旅館では取られなかったのに、おたくのB旅館では取るのか?信じられない!」という、キャンセル料を支払わない言い訳の材料になってしまう為です。
しかしながら、例えばA旅館の企業方針や企業努力と言われてしまえばそれまでですので、第三者がとやかく言える問題ではない面でもあります。

少し話は反れますが、コロナ以前にもキャンセル料徴収の問題で、身内の不幸や怪我・病気を理由に「当然キャンセル料は支払わなくて良いですよね?」という姿勢を示された時は、多くの航空会社や旅行会社がそうしているように、死亡診断書や医師による診断書のコピーを提出頂くことを条件とする必要があると考えています。

死亡診断書や医師による診断書のコピーを提出頂いて、初めてキャンセル料の免除や一定期間内の日付の変更を提示するべきです。
本当に身内の不幸や怪我・病気を理由としたキャンセルである場合は、当該書類を提出するのは容易いでしょうし、それを面倒と思うようであれば、そもそもキャンセル料を支払う姿勢を見せるでしょう。

そうでないと、本当かどうかも判断できない中でキャンセル料を免除してしまうこととなり「身内の不幸とでも言っておけばキャンセル料を払わなくて済むだろう」という悪質な客の思う壺になってしまいます。

航空会社や旅行会社と比較すると、宿泊施設の対応は“緩い”ため、利用者に甘く見られてしまっても仕方が無い状況を作り出してしまっています。

話を戻すと、同じ条件下でも宿泊施設ごとにキャンセル料の支払いが必要か不要かというのは各企業の方針ですのでこれ以上とやかく言うつもりはありません。
それ以上に問題視し無ければならないのは、同じ宿泊施設であるにも関わらず、対応するスタッフによって結果が異なるという状況を生んでしまっていないかという点です。
とにかくお客様と揉めるのが嫌、というスタッフが勝手にキャンセル料を免除してしまってキャンセル料取り損ねるという事態も生んでしまいます。

お客様都合のキャンセルであれば、どのスタッフが対応しても基本的には宿が定めたキャンセル料を請求するだけなので問題ないですが、お客様都合だけではないキャンセルの場合は正規のキャンセル料を請求するべきかどうか毎回悩むのではないでしょうか。

例えば、緊急事態宣言を理由に宿泊前日にキャンセルを希望するお客様に対し、スタッフAさんが対応すると、キャンセル料を全額免除になる一方で、スタッフBさんが対応すると、キャンセル料が一部免除となる。スタッフCさんが対応すると、キャンセル料を全額徴収される。

こういった状況が一番まずいのは言うまでもありません。
電話口にどのスタッフがでるかでお客様の負担が決まる一種のロシアンルーレット状態になってしまいます。

また、キャンセル料を徴収するかどうかは、“お客様に払う姿勢があるかどうか”によって決めるという心理戦や感情論を伴うことが多いというのも実情です。

キャンセル料が発生している期間のキャンセルの連絡があった場合、お客様側から「キャンセル料の支払いはどのようにしたらよいですか?」と言われると、
・宿側で良い(旅館に対して好意的な)お客様
 ⇒是非来てもらって、リピーターになってもらいたい!
と判断して、「今回は結構ですのでまた是非日を改めていらしてください」という会話になるといいます。

反対に、「キャンセルの理由を延々と説明して、こんな理由なんだからキャンセル料は取るはずないですよね?」というスタンスの方には、
・宿側で好ましくない(旅館に対して敵対的な)お客様
 ⇒来てもらってもトラブルになる可能性が高く、来てもらわなくても結構!
と判断して、なんとしてもキャンセル料を徴収しようという姿勢で臨みます。

個人的には、このようなお客様の姿勢次第で対応を変えるというのは1つの策戦であって、大いに結構だと考えております。

とはいえまずは、緊急事態宣言のようなお客様都合だけでない場合のキャンセルに対して、まずはどのような初期対応を取るのかを社内でルール決めすることが大切です。
キャンセル理由はお客様によって微妙に異なりますので、最終的には支配人や経営陣の判断を仰ぐことになるかと思いますが、キャンセルの連絡があったときの第一声を揃えておくことに意味があります。

「かしこまりました。それでは事情が事情ですので今回のキャンセル料につき ましては特別に免除とさせていただきます」
にするのか
「かしこまりました。大変申し訳ないのですが、キャンセル料は規定通りご請 求申し上げます。ただし、そのキャンセル料は預かり金の格好とし、宿泊日 から半年間の有効期限で、次回ご利用の際のご宿泊料金に充当させていただ きます」
にするのかという点です。

新規かリピーターのお客様かで対応を変えるのも大いにありだと思います。

余談ですが、カップル利用が多いケースでは、「一緒に行こうと思っていた相手と破局してしまったため行けなくなりました。その場合でもキャンセル料を取られますか?」と食い下がるお客様もいると聞きます。
当然キャンセル料は取るにしろ、どのような声掛けをするべきかという文言は決めておいて損はないと思います。

このように想定されるルールを決めておくと対応するスタッフも判断が楽になりますし、スタッフの勝手な判断や失礼な対応を未然に防ぐことに繋がります。

コロナ以前のように安心して旅行ができる体制が整うにはまだしばらく時間が掛かりそうですので、キャンセル対応の見直し・ルール化に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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株式会社観光文化研究所 井川今日子

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