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コロナ禍での団体旅行は“万が一”を想定した契約締結を

Posted on 2021-08-02

新型コロナウイルスのワクチン接種が進んでいる傍ら、新規感染者数が増加の一途を辿っています。

報道で伝えられているのは、ワクチン接種が済んでいる高齢者の感染は少なくなっており、20~30代を中心に感染力が強いデルタ株感染の増加および感染拡大のスピードの速さが主な要因と言われています。

各地で順々に始まっていた地域観光支援事業も一時停止となったり、開始時期が決まっていた事業も開始の見通しが立たない事態になっています。

そんな最中、
―――
大阪市 8月予定の中学校の修学旅行を実施へ 全ての生徒にPCR検査 宿泊先にも検査への協力求める
―――
というニュースがありました。

大阪府が緊急事態宣言を発出している最中でも、大阪市は中学校の修学旅行を中止しない意思を示しました。

当該世代の子を持つ親や生徒自身は、学生時代の思い出作りの為にも何とか催行してほしいとこの意思表示を喜ばしく思う方も少なくないでしょう。

学校に通ってようが、旅行に行ってようが、感染対策をしっかり行っていれば、感染リスクはさほど変わらないというのが私の考えですので、大阪市の判断は支持したいと思います。

話を戻すと、今年に入ってワクチン接種が始まり新規感染者数の増加も落ち着いていたことから、大阪市だけではなく全国的に学校やクラブ団体単位で、修学旅行や林間学校、合宿を開催しようとする動きがありました。

しかしながら、催行に向けて舵を切った矢先に、感染拡大に伴う緊急事態宣言やまん延防止等重点措置を発出する事態になり、
 行事に参加する    1.学校・クラブ団体、
 行事を企画する    2.旅行会社、
 行事参加者を受け入れる3.宿泊事業者、観光事業者、飲食店等
上記の3者が対応に迫られることになるでしょう。

これだけ新規感染者数が増えている中での、林間学校や修学旅行、クラブ合宿といった大人数が参加することが前提となるケースでは、おのずと参加者に陽性者が出たり、濃厚接触者が含まれるケースは珍しくなくなるということが予想されます。

このような万が一(もはや万が一という言い回しが適当では無いかも知れませんが)のケースになってしまった場合に、上記1.~3.の3者間での明確な取り決めを定めておく必要があると考えています。

まずは、旅行中に陽性者・濃厚接触者が出た場合に旅行をどうするかという判断です。
例えば、
・直ちに全体で旅行を中止する
・陽性者・濃厚接触者が出たクラス(車両・バス)のみ旅行を中止する
・陽性者・濃厚接触者および濃厚接触者のみを速やかに隔離し、他は旅行を継続する
・直ちに全員にPCR検査を行い、陽性者のみ旅行を中止する、陰性者は旅行を継続する
等の行動がとれると思います。

陽性者・濃厚感染者が出てから慌てて対応を話し合っては、最良の決断ができるはずもなく、トラブルの元になってしまいます。
もちろん最終的には、実際に事が起こってからの状況判断になる部分も多いと思いますが、シミュレーションをすることは、渦中でも冷静な判断を下すことができ、有益に働くでしょう。

また、どのような対応するかを決めた後に、そうした場合の対応や補償についても予め協議しておく必要があります。
例えば、「旅行中に陽性者・濃厚接触者が出た場合は、直ちに全体で旅行を中止する」という予備判断をした場合に、宿泊事業者、観光事業者、飲食店等へのキャンセル料の支払いはどうするのか、等といった点です。

あるいは「旅行中に陽性者・濃厚接触者が出た場合は、陽性者・濃厚接触者および濃厚接触者のみを速やかに隔離し、他は旅行を継続する」という選択がされた場合は、宿泊事業者、観光事業者、飲食店等はそれを受け入れるのか否かという議論も必要です。

宿泊事業者に関しては、「宿泊拒否の制限」他に関しての法改正が俎上に挙がっている旅行業法があります。
―――
〈抜粋〉「旅館業における衛生等管理要領」
4宿泊拒否の制限
1 営業者は、次に掲げる場合を除いては、宿泊を拒んではならない。
(1)宿泊しようとする者が宿泊を通じて人から人に感染し重篤な症状を引き起こすおそれのある感染症にかかっていると明らかに認められるとき。
―――
とありますので、現行では“明らかにかかっている”と認められない場合は、拒否することができないという内容になっています。

今回のこれだけ猛威を振るっている新型コロナウイルスという異常事態に直面にすると、どこまでこの法律に従う(背く)べきかという議論になるのは当然のことです。
良い意味で形骸化させないと受け入れ側が不利益を被るだけという構図になってしまいます。

状況が状況だけに特例を設けても良い事象ですので、3者間で良く話合って締結をするべきだと思います。

団体旅行を受け入れる予定がある施設は、いま一度“万が一”のことを考えて、契約内容等を確認してみてはいかがでしょうか。

 

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株式会社観光文化研究所 井川今日子

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