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料理長が居ないと旅館が営業できないという思い込みを無くす

Posted on 2022-01-04

ご支援先の旅館で、数か月前に「料理長の公休消化の為に冬季期間のまとまった休館を検討している」という話が出ました。

なんとか黒字を出したいと営業を続けている最中です。
ましてや地域観光事業支援(県民割・隣県割)も始まっているうえ、GoToトラベルキャンペーン再開の噂も聞かれるようになった頃でしたので、何とかして営業を続けられないか?と懇願しました。

以前ご支援をしていた宿泊施設では、料理長は基本的には宿には不在。常に次の献立を決めるための食材探しの旅に出ていて、献立が決まると再現性のあるレシピに落とし込み、盛り付け方の写真を撮影する。という体制を築いていました。オーブンの時間等は秒単位で記載されていたことが印象的で、誰が作っても同じような仕上がりになるようにレシピを作成していたため、入社して2~3ヶ月の派遣スタッフが調理を担当していたことを覚えています。

お客様アンケートでは、裏舞台がこのような状況にもかかわらず、「料理に感動した」とか「シェフによろしくお伝えください」といった類のものが少なく無かったのも興味深かったです。
それだけ再現性が高いレシピを作っていたことを思うと脱帽ものです。

先のご支援先でこの話をすると、「料理長に相談してみます!」と女将。
料理長と協議を重ねながら、料理長不在でも提供できる献立を、料理長に考案して頂く運びとなりました。

こちらとしては、打診して良かった!、とまずは安堵しているところです。

任された料理人、サポートするスタッフはもちろん大変ですが、試算すると売上にして倍違ってきます。
このような新たな取り組みをこの年末前から始めて、今のところは以前と変わらずお客様からは「大満足」の料理評価を頂いています。
始めるにあたっては、料理長からしっかりとレクチャーを受けるという準備期間を経たのは言うまでもありません。

まだ試験段階ですが、この試みが上手く行けば春からのオンシーズンも継続し、1日の受け入れ上限人数を増やしていこうと画策しています。

料理は料理長が居ないと提供できないというのは常識・通例かもしれませんが、“思い込み”と疑ってみることも必要です。
「料理長が居ないと旅館が回らない」という考えを疑い、
「料理長が居なくても旅館が回るようにできないか」という発想を持てば、何をすれば実現できるか?、とすべきタスクが見えてきます。

調理場だけでなく、他の部署でも
「〇〇さんが居ないと、ボイラーのことは良く分からない」
「〇〇さんが居ないと、インターネットでの販売ができない」
「〇〇さんが居ないと、GoToや県民割のことを説明できない」
という場面は少なく無いと思います。

料理長が居ない⇒旅館を開けられない、という程深刻な場面ではないと思いますが、やはり“1人抜けるとスムーズに回らない”という状況は経営体制を築くにあたって極力避けるべきでしょう。

「そうは言ってもインターネットの仕事はあの人が適任、あの人しかできない」
と思う気持ちも分かりますが、人は見かけによらずということも往々にしてあります。

接客の様子を見ていると、失礼ながら、「あまり仕事ができないのだろうな」という方でも、実は事務作業は誰よりも得意なんてこともあります。

何も、スタッフ全員が知っている必要はありませんが、せめて休日が重なりあわない複数人で技術共有・情報共有しておくに越したことはありません。

冒頭で紹介したご支援先のエピソードからの今回の教訓としては、ありふれた表現ですが、「やれば何とかなる」ということでした。


いまは1月。キリが良く何を始めるにも絶好のタイミングです。
忙しかった年末年始が過ぎ、これから数日の休館を設けた後は、1人任せにしている業務を洗い出し、その特定の1人が居なくても回る体制を作るにはどのような準備をしたらよいかを考え取り組んでみてはいかがでしょうか。

 

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株式会社観光文化研究所 井川今日子

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