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『就職企業人気ランキング』から観光・交通系の企業が消えた…

Posted on 2022-02-01

以下はマイナビの「就職企業人気ランキング」のここ30年のベスト3をピックアップしたものです。(文系)
観光・交通系の企業には、★を付し、べスト4以下にはベスト10までにランクインしている観光・交通系の企業を掲載しています。
参照元)
https://career-research.mynavi.jp/column/20210420_7869/#i-2

■1991年卒(1990年調査)
1位 全日本空輸 ★
2位 三井物産
3位 伊藤忠商事
・・・
5位 日本航空 ★
7位 東海旅客鉄道 ★

■2001年卒(2000年調査)
1位 JTB(日本交通公社) ★
2位 NTTドコモ(NTT移動通信網)
3位 ソニー
・・・
4位 近畿日本ツーリスト ★
6位 日本航空 ★
9位 全日本空輸 ★

■2011年卒(2010年調査)
1位 JTBグループ ★
2位 資生堂
3位 ANA(全日本空輸)★
・・・
4位 オリエンタルランド ★
6位 JR東日本(東日本旅客鉄道) ★
9位 エイチ・アイ・エス ★

■2021年卒(2020年調査)
1位 JTBグループ ★
2位 ANA(全日本空輸) ★
3位 東京海上日常火災保険
・・・
4位 日本航空(JAL) ★
5位 オリエンタルランド ★

ここ30年はランキングTOP10に、観光・交通系の企業が常に3~5割以上含まれていたことを再認識するとともに、いまとなっては「この企業がこの企業よりも人気だったのか!」という驚きもあります。

こちらのランキングの最新版が以下の通りです。

■2022年卒(2021年調査)
1位 東京海上日動火災保険
2位 第一生命保険
3位 味の素

残念ながら観光・交通系の企業は1社も見当たりませんでした。その一方で、10位までに保険会社が3社ランクインしています。

ちなみに、ランキングTOP50までの観光・交通系の企業は下記の通りです。

17位 オリエンタルランド
18位 ミリアルリゾートホテルズ【オリエンタルランドグループ】
19位 星野リゾート・マネジメント
28位 JTBグループ
32位 日本航空(JAL)
51位 全日本空輸(ANA)

これまでランキング上位常連だった、JTB、JAL、ANAという大企業がオリエンタルランド、星野リゾートといった企業よりも下回っているのは衝撃です。

単にコロナで人気が無くなっただけでなく、就職人気ランキングという特性上、新卒採用を停止していたのも相まっての結果だというのは理解しているつもりです。
それにしてもです。
恐らく今回の新型コロナウイルスのまん延で、これまで“安定企業”とされていた観光・交通系の大企業への信頼が揺らぎ、“不安定企業”という見方をされるようになったのは間違いのない事実で、しばらくは就職先として敬遠されるでしょう。

上記の調査年を見る限りでは、保険会社がTOP10に3社もランクインするのは初めてのことで、先行き不透明感漂ういまの時代がまさに反映されているように感じます。


ところで、平成30年に「働き方改革」を推進する法案が成立しました。とはいえ法案ができてからもすぐに浸透する雰囲気は無かったものの、このコロナ禍で、働き方改革導入の動きが急激に加速しました。

厚生労働省のページでは、「働き方改革」の目指すものとして、以下のように書かれています。(一部抜粋)
―――
「働き方改革」は、・・・、働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く方一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指しています。
―――

「働き方改革」の中でも特に一気にもてはやされるようになったのは、在宅勤務(テレワーク)やオンライン会議、裁量労働制勤務や、フレックスタイム勤務等です。「時間や場所に縛られず、すべきことをすればOK」という働き方が一般化するようになりつつありますが、常に顧客と接しているわけではないBtoBだからこそできるという側面が大きいのだと思います。

いまの就活生はこのような働き方を当たり前に思って社会人になる人も少なく無いと思います。

しかしながら、このような働き方改革は旅館をはじめサービス業には当てはまらない考え方です。基本的には常に目の前のお客様に対応するというBtoCの側面が大きい仕事には導入が難しいでしょう。

就職企業人気ランキングの順位が大幅に落ちるだけでなく、いまの働き方改革に沿った働き方ができない観光・交通産業は当面人材難が続くことが予想されます。

そして採用する際には、多様な働き方を選択できる働き方改革的な働き方が通用する業界でないことを伝えないとミスマッチが起きてしまい、採用したところで長続きしないでしょう。

今後の観光・交通産業の採用活動では、昨今の働き方改革のような働き方は出来ないことを理解してもらうのと同時に、その分の良い側面…

・お客様の反応にダイレクトに触れられること
・様々なお客様と面と向かってコミュニケーションが取れること
・自分次第で目の前のお客様を喜ばせることができること

こういったことにやりがいを感じられる人、自分の喜びとできる人を見極めて採用することが必要となってきます。

 

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株式会社観光文化研究所 井川今日子

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