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GoToトラベル取消料問題についてGoTo事務局に思うこと

Posted on 2022-07-04

観光庁より「取消料対応費用の配分に関するアンケート調査結果について」の報道発表がありました。
https://www.mlit.go.jp/kankocho/page05_000185.html

GoToトラベル事業で、2020年末~2021年始の期間に一時停止措置となった際に発生したキャンセル分の補填として、一律35~50%が旅行会社や宿泊事業者に支払われた取消料に関してのことです。

アンケート結果のポイントとして、以下のように報告されていました。
―――
○今回のアンケート調査で適切な対応を行っていた事業者※の割合は、旅行事業者で85.4%、宿泊事業者で67.1%。
 ※関連事業者へ配分を行った、配分を行う予定、配分の必要がなかったと回答した事業者の合計。

○適切な配分を行っていることが確認できなかった回答としては、
 ・ 資金繰りから配分を行う余裕がなかった
 ・ 配分ルールがわからなかった、知らなかった
 ・ 取扱要領上の「適切な配慮」という記載がわかりづらかった
などの回答がありました。
―――

適切な対応を行っていた事業者の割合が多いか少ないかはさておき、当初より「このような結果になるだろうな」と予測出来ていたことです。

適切な配分が確認できなかった回答で、
 ・ 資金繰りから配分を行う余裕がなかった 
はともかく、
 ・ 配分ルールがわからなかった、知らなかった
 ・ 取扱要領上の「適切な配慮」という記載がわかりづらかった
というのは共感しかありません。
弊社のご支援先でも当時、この配分問題はよく話題にあがり混乱を来していたなと思い出します。

と言いますのも、下記の通り当時通達された資料からは、旅行業者に対するルールは詳しく明記されているにも関わらず、宿泊事業者に対する明確な指針が何ら示されていなかったのです。
GoToトラベル事務局の“宿泊事業者に対する興味の無さ”がこれ程までにあからさまなのには驚きました。
https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001488572.pdf

―――
【旅行業者】
旅行業者は、受領した取消料対応費用について、旅行商品に含まれるサービスを提供する宿泊事業者、交通事業者、観光施設等に対し、公平に配分するものとします。具体的には、その旅行が実施されていれば、 それぞれの者に支払われるべきであった額の50%又は35%(※)を配分額として提示してください。
なお、旅行商品をリテーラーを通じて販売している場合には、旅行業者(ホールセラー)は上記の考え方に基づき、旅行が実施されていれば支払われるべきであったリテーラーの販売手数料額の50%又は35%(※)を配分額として提示してください。 (※)旅行代金の50%又は35%が上限(2万円又は1万4千円)
を超える場合には、それぞれの者に支払われるべきであった額の割合に応じ配分。

【宿泊事業者】
また、宿泊事業者においては、受領した取消料対応費用について、食材の卸売り業者やリネン業者など、取消の影響を受ける関連事業者に適切にご配慮をいただくよう、お願いいたします。
―――

旅行業者にはこれだけのボリュームを割いて配分ルールを詳しく説明しているにもかかわらず、宿泊事業者には「よしなに」の4文字で済ませているようなものです。
これだけ旅行業者に明確なルールを決めているのは、保身のために他なりません。
それに対して、宿泊事業者に対しては「我関せず」の姿勢です。「事務局としてやるべき最低限のことはやった、あとは知りません」という意思表示とも受け取れます。

この部分を読めば、GoToトラベル事務局が旅行会社のまとまりであって、宿泊事業者がほぼ関与していないことが、業界のことをよく知らない方でも分かるのではないでしょうか。

「取消の影響を受ける関連事業者に適切にご配慮」と聞いて、何をすれば良いどう行動すれば良いかが明確にわかる宿泊事業者がどれだけいるでしょうか。

・「取消の影響を受ける」とは、例えば業者に発注する前であれば対象外との認識で良いのか?
・「関連事業者」とはどこからどこまでを指すのか?
・「適切に」とは何をもって適切というのか?基準は何か?
・「ご配慮」とは金銭を絡める必要があるのか?
と突っ込みどころ満載で、情報を受け取る側がどう捉えるかによって認識が大きく異なってきます。

そもそもアンケートで 
・ 配分ルールがわからなかった、知らなかった
・ 取扱要領上の「適切な配慮」という記載がわかりづらかった
との項目がある時点で、制度設計が間違っていたと認めているようなものです。

今回の報道発表には、
―――
○適切な配分を行っていることが確認できなかった事業者に対しては、引き続き適切な対応と報告を求めているところです。
―――

とありますが、
・明確なルールを設けないと、
 ⇒自社にとって好都合なあらゆる解釈が生まれる
 ⇒不正の温床・不正の助長となる
のは容易に想像できることです。

宿泊事業者が頭を悩ませるルールを設け(むしろ設けず)、適当に処理をして【おしまい!】、にしていたところ、会計検査院から調査の指摘が入り、アンケートを取ったら問題が発覚した・・・というのが今の状況です。

ルールが不明瞭であるがゆえに、配分をしなかった事業者へのペナルティを促すのではなく、こうなることが容易に想像できたにもかかわらず、明確なルールを定めずに業務を遂行し、このような事態を招いたGOTOトラベル事務局も何らかの責任を取るべきだと思います。

 

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株式会社観光文化研究所 井川今日子

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