「2021年03月」の記事一覧

地域観光事業支援の実施について

Posted on 2021-03-29

去る3月26日、観光庁より「地域観光事業支援の実施について」報道発表がありました。
https://www.mlit.go.jp/kankocho/news06_000503.html
(別紙)
https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001395416.pdf

内容を抜粋すると、
―――
今般、感染状況が落ち着いているステージ2相当以下とする都道府県が行う県内旅行の割引事業を財政的に支援する、「地域観光事業支援」を実施することといたしましたのでお知らせします。
 
 具体的には、GoToトラベル事業が再開するまでの間、ステージ2相当以下とする都道府県が、同一県内での旅行への割引支援を実施することを決定し、国による支援を希望する場合には、一人一泊当たり5,000円を上限として、
国から当該都道府県に補助金を交付します。
 
 また、旅行への割引支援と併せてクーポン等で土産物屋、飲食店、公共交通機関などの地域の幅広い産業に裨益する支援を実施する場合、一人一泊当たり2,000円を上限に追加して補助金を交付することといたします。
 
 4月1日(木)以降、準備が整った都道府県から順次開始し、当面5月末まで実施することを基本とし、予算規模は総額で約3,000億円を予定しています。
 
 詳細は別紙をご参照ください。
―――

要は、ステージ2相当以下の都道府県に限定して、同一県内での旅行補助、
・一人一泊当たり5,000円を上限(最大50%支援)
・日帰り旅行は1人1回あたり最大5,000円(最大50%支援)
・地域共通券等の支援策を併せて実施する場合は1人1泊あたり最大2,000円
を4月1日より開始するというものです。

なお、各都道府県毎のステージはこちらより確認できます。
https://news.yahoo.co.jp/pages/article/20200813
 ※ページを開いた後に「都道府県の状況」をクリックします

一時は、
・緊急事態宣言が解除になったらGoToトラベル事業も再開するのでは?
・GWはGoToトラベル事業の除外になるらしいから、GW明けに再開になるのでは?
・五輪が開催されるなら、五輪開催後にならないと再開にならないのでは?
等と色々な憶測が飛び交いましたが、個人的には思っていたよりも早い段階での再開となり、まずは安堵しています。

ところで、このステージ2という指標ですが、政府の分科会が示した指標によれば、
―――
感染者の漸増及び医療提供体制への負荷が蓄積する段階
3密環境などリスクの高い場所でクラスターが度々発生することで、感染者が漸増し、重症者が徐々に増加してくる。このため、保健所などの公衆衛生体制の負荷も増大するとともに、新型コロナウイルス感染症に対する医療以外の一般医療も並行して実施する中で、医療提供体制への負荷が蓄積しつつある。
―――
という、具体的な数字での定義はなく、いまいちよくわからない状況です。
一方、1つ上のステージ3になると、具体的な数字が示されていますので、それ未満であればステージ2以下という認識で良さそうです。

ちなみに、ステージ3を確認しておくと
―――
1.病床のひっ迫具合
<病床全体>
・最大確保病床の占有率…1/5以上
・現時点の確保病床数の占有率…1/4以上
<うち重病者用病床>
・最大確保病床の占有率…1/5以上
・現時点の確保病床数の占有率…1/4以上

2.療養者数
人口10万人当たりの全療養者数15人以上
※全療養者:入院者、自宅・宿泊療養者等を合わせた数

3.PCR陽性率
10%

4.新規報告数
15人/10万人/週 以上

5.直近一週間と先週一週間の比較
直近一週間が先週一週間より多い。

6.感染経路不明割合
50%
―――
この基準に達してしまうと、ステージ3となり、地域観光事業支援は打ち切りになるということです。
この支援事業がスタート、継続できるように、感染防止対策を徹底した日常生活を引き続き継続していくよう、国民一人一人が協力していきたいものです。

さて、今回の予算が3,000億円ということですが、仮に各都道府県に均等割りになると想定して47で割ると、1都道府県あたり63.8億円。
対象時期は4月1日~5月末日とのことですので、全61日となり、1都道府県あたり1日約1億円が配分されるという計算です。
1人当りの1泊の支援上限額が多く見積もって7,000円とのことですので、1都道府県あたり1日平均で補助を受けられるのは最低でも14,286人/日となり、4~5月のオフ&ショルダーシーズン、尚且つ外国人観光客がいない中でのことと考えると、充分な予算額と言えます。

一部の自治体では独自の旅行補助を行っていますが、予算額が限られていて、販売開始とともに即完売になるとの話も耳にしています。このような最中に国が補助金を出すという流れは金銭面での旅行促進に大きく貢献するでしょう。

それよりも、旅行に出るという消費活動を政府が後押しすることによる旅行者の心理面への働きかけの効果が非常に大きいというのが個人的な評価です。
GoToトラベル事業では、1人1泊当りの宿泊補助額が最大14,000円、それに加えて最大6,000円の地域クーポンが給付されたことと比較すると、今回の旅行支援額は大幅な減額となりますが、それよりも「旅行活動を正当化されること」の意味合いの方が強いものと思います。

観光・旅行、それから旅館業界にとっても待ちに待ったこの観光支援事業ですが、受け入れ側にとって気になるのが、「運用は各都道府県に委ねる」ということが記されている点です。

具体的には、
・補助の仕方がGoToトラベルキャンペーンの給付と同様、OTAから既に入っている予約も同一都道府県であれば自動的に対象になるのか?
・ステージ2からステージ3になってしまった場合、支援対象外になるのは何日後からか?その日をまたいだ旅行はどうなるのか?
・地域共通クーポンの使用可能エリアのスタンプはどうするのか?
 (GoToトラベル事業の時は、隣接都道府県が対象)
等、挙げればきりがありません。

いずれにしろ、政府としての方針は固まったため、今後は各都道府県の動向に
注視し、地域観光事業支援の開始に向けて準備を進めていくことが大切です。

 

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株式会社観光文化研究所 井川今日子

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*おもてなし接客本、出版しました!「ちょっとした心づかいでこんなに変わる!おもてなし接客術」

新入社員研修で伝えたい『人が接客をする価値』と『接客の3つのポイント』

Posted on 2021-03-16

間もなく4月を迎え、新入社員を迎える企業もあるかと存じます。

私もこの時期は旅館の新入社員研修を担当させていただいております。

昨年より新型コロナの感染拡大防止の為、引き続き接客場面や会話を控えている宿も多いですが、新入社員研修ではコロナ以前の普段通りの接客・おもてなしの重要性を伝えていきたいと考えております。

今年の新入社員研修でスタッフの皆さんに伝ようと思っているのは、『人がする接客の価値』についてです。

宿泊業界でも生産性向上やコロナ対応を目的として、自動精算機やチャットボット、ブッフェ会場での自動盛り付け機等を導入が進んでおり、人を介さない接客場面が徐々に増えつつあります。

そのような中で、スタッフがする接客というのはどういう意味を持つのかを考え、紙面で済まそうと思えば済ませられる説明を敢えて人がするという接客の必要性を見出して頂き、生身の人間が対応する価値を最大限表現してほしいと思っています。

併せて、旅館業の醍醐味である接客について以下の3つのポイントをお伝えしようと企画しています。

1.接客は掛け算である
2.接客業は信頼業である
3.コミュニケーションを正しく理解する

――――――――――――
1.接客は掛け算である
――――――――――――
旅館業はお客様との接点・接客時間が多いことからも、接客業の代表格であると言えます。旅館経営者の多くは、常にスタッフの接客力を上げたいと考えていることと思います。

接客を受けているお客様は、無意識にも常に宿を評価しています。
評価の仕方は足し算・引き算ではなく、掛け算であると認識しましょう。

仮に、以下のような評点基準を持っているとします。
◎(良く できている)・・・2点
〇(普通にできている)・・・1点
✖(全くできていない)・・・0点

例えば、身だしなみはしっかりできているけれど、表情に問題があるスタッフがいるとします。そうすると、身だしなみ⇒2点、表情⇒0点という評価が下されます。この時の計算式は、

 身だしなみ(2点)+表情(0点)=2点 ではなく、

 身だしなみ(2点)×表情(0点)=0点 となるということです。

他の項目で、いくら◎や○の評価を得られても、1項目で✖(0点)の評価を貰ってしまえば、評価は0点にしかならないということです。

これは接客だけでなく、あらゆる評価軸やスタッフにも置き換えて説明することができます。
例えば、いくら料理が良くても、清掃ができていなければ
料理◎(2点)×清掃✖(0点)=で0点の評価となってしまいますし、いくらスタッフAさんが良くても、スタッフBさんができていなければAさん◎(2点)×Bさん✖(0点)=0点の評価となってしまいます。

但し、ひとたび0点の評価をされてしまったからと言って諦める必要はありません。
お客様は、✖の評価を薄めたり帳消しできる出来事があれば、✖を除いた評価をしてくださいます。
実際に0点評価が少ないのはこのような心理状況が働いているためです。

従って、まずは0点評価を貰わない体制作りをすることが大切です。

――――――――――――
2.接客業は信頼業である
――――――――――――
顧客満足という言葉があります。リピーターやクチコミを生み、集客や売上を左右する非常に重要なものですが、この顧客満足を獲得するというは、お客様の信頼を獲得することだと考えています。

例えば、予約時に伝えた食材のアレルギー情報がきちんと接客の現場に伝わっていて他の食材が並んでいれば信頼できる宿になりますし、逆にアレルギー食材が堂々と目の前に並んでしまうようなことがあれば、信頼できない宿というレッテルを張られるでしょう。

このように、たった1つの顧客情報の伝達が上手く行ったか行かなかったかで宿の評価は180度変わります。

接客業に於いては、「お客様の信頼を失わずに、尚且つ新たな信頼を得られること」に注力しなければなりません。
信頼を失わないように努めることで安心できる滞在ができ、信頼を獲得することが顧客満足に繋がります。

【信頼を失わない】とは?
・常識のある対応ができること。
・宿泊プランに記載された通りの食事や特典を提供すること。
・予約時に伝えられた要望において、承諾したものに関してはきちんと履行す ること。
等が挙げられます。

【信頼を獲得する】とは?
・咄嗟の対応ができること。
・予め聞かされていないお客様からの要望や問い合わせにしっかりと対応できること。
・お客様の様子を観察しながら、気の利いた(先回りの)対応ができること。
等が挙げられます。

信頼の積み重ねが、企業としての信用を生んでいくことに繋がります。

まずは、信頼を失わない素地をしっかり整えてから、信頼を獲得するスキルを身に付けることをお勧めします。

―――――――――――――――――――――
3.コミュニケーションについて理解すること
―――――――――――――――――――――
そもそも「コミュニケーション」とは…
気持・意見などを、言葉などを通じて相手に伝えること。通じ合い。
社会生活を営む人間の間で行われる知覚・感情・思考の伝達。 動物個体間での、
身振りや音声・匂い等による情報の伝達。
という定義があります。

「気持ちや意見、知覚・感情・思考」の伝達というのがコミュニケーションです。
客室案内や料理説明をしてコミュニケーションをとったつもりになっているスタッフが多いですが、それは一方的な説明でしかなく、取り扱い説明書を読み上げているようなものです。

スタッフ自身が考えて発信したことがコミュニケーションですので、スタッフがお客様を気遣ったことや、興味・感心を持って質問したことこそがコミュニケーションです。

また、言葉だけでなく、身振りや音声、匂いもコミュニケーションの手段です
やはりスタッフ自身の気持ちや意見を表すものですので、相手にとって失礼な状態であれば、相手を侮辱していることにも繋がりかねず、非言語の部分からもお客様を尊重している姿勢を伝えなければなりません。

これらを踏まえて、お客様とコミュニケーションをとるとはどういうことかについて理解を深めるとより良い接客・おもてなしが提供できるようになります。


今年の新入社員研修では、このような点を踏まえつつ接客の形をお教えしたいと考えています。

 

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株式会社観光文化研究所 井川今日子

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SNSを上手に活用しよう!

Posted on 2021-03-04

企業のマーケティングにSNSの活用が進んでいます。

ブログやメールマガジンでは、自社に関心があったり、自社と繋がりがある人にしか発信できなかったのが、SNSでは、シェアやハッシュタグ検索、いいね機能等で、“自社に関心があったり繋がりのある「友達・フォロアー」”の「友達・フォロアー」にまでアプローチできるのが、SNSの大きな特長と言えます。
また、スマートフォンにプッシュ通知を届けることができることで、開封率が高いのも大きな魅力の1つです。

既にSNSを活用している方(企業)も多いと思いますが、SNSをしっかりと活用していくための8つ流れを紹介します。

1.SNSの特性を把握する
2.SNSの投稿の種類を知る
3.ハッシュタグを活用する
4.フォロアー数の増やし方を知る
5.プロフィールをしっかり作り込む
6.ファンへのアクションをする
7.反響を把握する
8.投稿のガイドラインを作る


1.SNSの特性を把握する
まずは、各SNSの開発・運営会社や、ユーザー数、ユーザー層、投稿スタイル等を知り、自社の発信スタイルと相性が良かったり、客層と合う物を把握します。
FacebookとTwitterに連携してInstagramに投稿すると、それが自動的にアップされる仕組み等を理解します。


2.SNSの投稿の種類を知る
Instagramひとつとっても、投稿の種類が沢山あります。

〇フィード投稿
 …通常投稿。撮影した写真、1分の動画投稿可。
〇ストーリーズ
 …写真・動画の投稿やライブ配信ができる機能。投稿は通常24時間後、ライブ配信(15秒)は配信終了後に自動で消滅
〇ストーリーズハイライト
 …残しておきたいストーリーを任意の組み合わせでプロフィールに保存できる機能
〇IGTV動画
 …長尺動画(60秒以上、最大60分)
〇リール
 …短尺動画(30秒以内)
〇まとめ
 …ブログやカタログのようにコンテンツ化して公開できる機能。

告知したい内容が、どの種の投稿スタイルと相性が良いのかを考えて投稿すると良いでしょう。


3.ハッシュタグを活用する
コメントのキーワードにハッシュタグ「♯」を付けると、検索用キーワードとなり、そのハッシュタグをタップすることにより同じハッシュタグを使った投稿一覧画面にアクセスができます。

人気の高い検索キーワードを意識しながら取り入れるのも良いですし、(もちろん注目キーワードであっても、全く関連のないハッシュタグを置くことはお勧めできません!)キャンペーン的に自社オリジナルのハッシュタグを作成するのも良いと思います。


4.フォロアー数の増やし方を知る
SNS投稿を継続することへのモチベーション維持の1つがフォロワー数の増加です。
まずはアカウントを発見してもらう導線づくりをしっかりと行い、訪問者数を増やします。
併せて、フォロー率向上を狙って自社に関連する投稿を上げてくださった方への「いいね」やフォロー、コメントをする体制を整えておくと良いでしょう。


5.プロフィールをしっかり作り込む
プロフィール情報をしっかり作り込んでいるか否かで、企業のSNSに対する姿勢が見て取れ、それが企業の印象に繋がり、フォロー率にも大きく影響します。
一目見て企業のコンセプトや商品が伝わるよう、特長を明記することをお勧めします。


6.ファンへのアクションをする
上記、フォロー率向上のための施策と少し重複しますが、自社のアカウントや位置情報、自社に関連するハッシュタグを検索して、「いいね」やフォロー、コメントをしていきます。

好意的な内容の投稿ばかりではなく、批判的な内容の投稿を見つけることもあると思います。その際の対応についてもルールを決めておきます。


7.反響を把握する
各SNSごとにアクセス数やフォロワー数の推移、ユーザーの属性について把握できる分析ツールがありますので、定期的に把握をし、時には目標数値を設定する等効果的に活用していきます。


8.投稿のガイドラインを作る
SNSを安全に、効果的かつ継続的に運用していくためには、社内で投稿のルールおよびガイドラインを定めることをお勧めします。

ア.【SNS運用に対する心構え】
・情報が一度インターネット上で公開されると、後でそれを削除しても、記録 として恒久的に残る可能性があることを十分に理解して運用すること。

イ.【投稿内容の確認事項】
・対象物の背景に、お客様や第三者(無関係者)、顧客情報が写り込んでし まっていないか
・あらゆる状況・立場のお客様の目に触れることを想定して細心の注意を払えているか

ウ.【投稿スタイルの統一】
・写真や動画に文字を載せる場合は、1画面に1ヶ所だけに留める
・1投稿につき、絵文字は1~5点程度にする。
・1投稿につき、顔文字は0~3点程度にする。

エ.【公開する前に…】
・下書き状態で必ず責任者の確認(承認)を得てから【公開】する!

オ.【更新頻度】
・週に4回(1~2日に1回)更新する!

カ.【自社に関連する投稿へのアクション】
・1週間に一度、水曜日に点検する!(Instagram、Twitterを中心に)

キ.【個人のSNSアカウントの運用について】
・『個人のアカウント』は『会社情報』と紐づいていることを忘れないようにすること。

上記はルールやガイドラインのごく一部ですが、このような具合です。


観光業界の中でもSNSが成果に結びつきやすい業態とそうではない業態がある為、“SNSの更新自体”が目的にならないように意識することも必要です。
(※あくまで売上に貢献するための手段と考える必要があります)

本記事がSNSの今後の運営について何か1つでも参考になれば幸いです。

 

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株式会社観光文化研究所 井川今日子

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