「2021年09月」の記事一覧

総裁選候補者の観光振興策 ~自民党総裁選 国民の声に応える政策討論会~

Posted on 2021-09-27

投開票を9月29日(水)控えた自民党総裁選。

9月25日(土)に、候補者が国民から直接質問を受け付けるオンライン形式の【自民党総裁選 国民の声に応える政策討論会】が初めて開催されました。

その様子がYouTubeにも挙がっていましたので、主に観光振興についての質問について各候補者が掲げる政策を調べておりました。
https://youtu.be/h2QzWFT-Mvk

観光振興に関する話題は、1時間3分~28分頃、1時間35分~42分頃に触れられています。

主な質問は以下の5点です。

1.コロナ後の観光振興について
2.富裕層観光の誘致について
3.GoToトラベル再開後の感染拡大の懸念について
4.アフターコロナを迎える前の、今やるべき観光振興策は?
5.疲弊している地域の立て直しは観光振興で実現できるのか。外国人観光客増加による弊害等、ネガティブな側面にどう対処するか。

各候補者の各質問への回答は下記にまとめておりますが、現状の日本の観光業界に強い方はいらっしゃらないのかな、という印象でした。質問に対する回答ができずにはぐらかしていることが多いのも良くわかります。

その一方で、
・コロナ後の観光振興について、「旧来のGoToトラベルをバージョンアップさせ、ワクチンパスポート、陰性証明を条件にプレミアム率を上げる、中小、 小規模店のプレミアム率を上げる」という岸田さん
・コロナ後の観光振興について、「小人数、お一人様観光に選ばれるような宿の改築にお金を支援していきたい。」という高市さん
・富裕層誘致に対して、「スーパーヨット、プライべートジェットがスムーズに行き来できるようなインフラ整備が必要」という野田さん
・富裕層誘致に対して「関税の保税ルールを替えて、保税地域でオークションをできるようにしたい」いう河野さん
のような具体策が提示された回答には好感を持てました。

観光業界に非常に大きな影響力を持っている二階氏の動向も気になるところですが、各候補者が総裁になった際には、日本の観光振興を少しでも実現するために今回の政策討論会での発言事項、是非実行してほしいと願います。


※下記は上記YouTubeを見て、私が意訳したものであり各候補者の意向を正しく反映できていない場合があります。予めご了承ください。

■岸田氏
1. GoTo2.0を観光振興策としたい。ワクチンパスポート、陰性証明を条件に プレミアム率を上げる。
  前回のGoToトラベルでは、大型店、高級店に集中したため、中小、小規模 店のプレミアム率を上げる。
  地域共通クーポンのデジタル化をする。

2. そもそも日本の観光業は伸びしろが大きい。同じインバウンド客が滞在中に使うお金は、日本と米国とでは10倍近くの開きがある。例えば、日本で20万円消費する人は、米国では200万円消費する。この原因は、体験型の観光が日本には不十分であるとの指摘がある。
  日本には素晴らしい文化・芸術がある。地元広島でも空手の体験、体験漁業、和菓子作り等様々な種がある。まずはこの種を活用してから日本の観光の可能性を追求したい

3. GoToトラベルをバージョンアップした格好での再開を考えている。
  コロナは変異を繰り返す為、油断してはならない。社会全体が共存するためには無料や簡易の検査キットが簡単に入手できる体制を整える必要がある。
  旅行自体もどういう旅行の仕方をするのが安全なのかを考えること大事。

4. 実際人の行き来ができないなかでの観光は難しい部分がある。
  人の行き来ができるようになった時期に備えて、どういう情報を発信していくのかいまが大事な時期。
  様々なツールやソフトを作って情報を提供していく。地方都市の歴史・文化・伝統は海外にとって魅力があるので、きめ細かに発信していくことが大事。
 
5. 観光は期待が持てる大きな文化。
  観光を生かすためにも、受け皿である地域や社会そのもののを活力をつけ てから観光をのせていかないと魅力が発揮できない。
  地域・地方を考えた時に、デジタル田園都市構想を持っている。都市と地方の物理的な距離、時間的な距離をデジタルによって埋めることができないだろうか。ドローン宅配、自動運転、リモート医療、リモート教育で高齢者・若者にも魅力がある地方がつくれないだろうか。
  スマート農林水産業というような形で若者に希望を持ってもらいたい。
  地方をしっかりつくった上で、観光を載せて大いに発展させていきたい。


■高市氏
1. コロナが収束したら我慢していた需要が急に増える。
  その時までに事業がつぶれないように補正予算を成立させて支えたい。
  「長期滞在型、単価が高い、看板商品がある、受け入れ態勢が整備されている」こういった観光地が選ばれるようになる。
  小人数、お一人様観光に選ばれるような宿の改築にお金を支援していきたい。

2. コロナで訪日外国人9割減った。コロナが収束して富裕層をどう呼び込むかについて、韓国では富裕層に対しカジノ付のホテルでVIP待遇するホテルが増えているが、IRは時間が掛かる。
  富裕層という面では宇宙旅行も出てきている。日本でも日本の技術を活用した特にICT技術を使ったスペシャルな、あなたにしかできない体験が作れたら楽しいと思っている。

3. 国産の治療薬が皆さんに行き渡るまでは心配である。
  感染対策をして距離をとりながら経済を動かす必要がある。交付金を活用頂いている宿の感染防止対策は重要な対策。
  小人数の家族旅行、一人旅行に合うように宿の設備を変えることには、事業再構築補助金を拡大して取り組みたい。

4. いまだからこそ発信するチャンス。
  海外では日本のアニメや歌、映画が親しまれている為、ゆかりの地をアピールする方法がある。バーチャル体験が確立しているので発信していく。
  生産者やJAが協力して、国もお金を出して野菜や生産物のネット販売はいまがやりどき。
 
5. 日本の国内観光は5割減っている。インバウンドもウェルカムだが、まずは国内観光を大事にしたい。日本人が日本を知って、文化に触れ、いろんな地域の人と交流する質の高いものにしたい。
  海外客によってさまざまな問題が起きているが、海外客から見た日本は、マナーの良さ、清潔であること、お風呂の使い方等が高評価。こういった日本の強みを学んで帰ってもらいたい。


■野田氏
1. 政治の仕事の前には帝国ホテルに勤務しており、観光振興の担い手の1人 だった。
  都会にあっても観光にあっても伸びしろは沢山ある。
  GoToトラベルが経済に寄与しているのは事実。なるべく早くある程度の目途を付けて行動制限を解除してGoToトラベルを利用して多くの方たちがリベンジ消費・旅行することによって新たな経済を進めて行きたい。
  地方にとっても観光は新たな産業。これをしっかり育んでいくために、いまは一旦中断しているけれども新たな表示を作って旅行と観光を通じて人々の心が豊かになっていくよう取り組んでいきたい。

2. インバウンドの再開に当たっては、ある意味では経済を回している超富裕層、スーパーリッチの客層のマーケットが開拓されていない。
  日本の強みであるコアレベルな医療ツアーを実施したり、スーパーヨット、プライべートジェットがスムーズに行き来できるようなインフラ整備も必要。

3. 以前のGoToトラベルの時の状況とは異なり、今回は科学的にも医学的にも解決できる術があり、治療薬も出てきているといういまの日本の取り組みがある。
  経済困窮により命を落とすことがないようにしたい。
 
4. アニメは呼び込みのコンテンツになる。
 海外の日本食レストランで食べて美味しいから日本に来たくなるという流れも。
  日本酒の会の会長をしいており、輸出に限る酒造免許を去年から取り組んでいる。日本酒も日本に来るきっかけになると良いと思っている。
 
5. 観光を国の主要な施策に決めた時、先進国の中で観光産業が遅れている、一番稼げていないという状況で取り組んできた。
  少子高齢化で地方に残っている活力が少なくなっている、工場が他国に行ってしまったり、教育も都に集中して人材がいなくなっている。
  そこにしかない観光資源は魅力であり、賢く消費をしてもらう。
  岐阜県では労働力を必要としている、外国人との共存・共生でうまくやって行く。


■河野氏
1. コロナ後の日本人のリベンジ消費・リベンジトラベルがあってから、その後にインバウンドが始まってくる。
  これからの観光、キーワード「いまだけ、ここだけ、あなただけ」非日常を体験できるようなものになってくる。
  ワ―ケーションのような働き方、観光の楽しみも出てくる。
  外国人向けには外国人向けのマイナポータルのようなもの外国の方にも行政や民間のサービスが提供できるような仕組みをつくったらどうか。
  プロダクトアウトではなくマーケットインが必要。
 事例)徳島県では「阿波踊り・うず潮」をアウトプットしていたにもかかわらず、海外からの検索ワードは「サーフィン、サテライト移住、ゴミゼロであった。

2. シェフ同伴してスイートに月単位で泊まったり、瀬戸内海の離島を自分のヨットでクルージングしながら離島のホテルを巡るようなめぐる富裕層の方がいる。
  東京の迎賓館や京都の和風迎賓館 京都の由緒あるお寺を貸切にしてイベントをしてもらうのは現実に始まっている。
  外務大臣の時に東京競馬場に各国の大臣を招いて楽しんでもらった。
  関税の保税ルールを替えて、保税地域でオークションをできるようにした。できればアートバーゼルを東京に誘致したいと思っていて、非常に有望な市場の為しっかりやる。

3. 感染リスクデータを集めて分析する必要がある。
  感染、重症化してもキチンと治療できる体制が必要。
  経済を停滞させるわけには行かないので、どういうかたちで経済を進めて行くか、政府として説明をして国民の理解を頂きながら広めていきたい。

4. アバターを利用すればあたかも自分が行って観光しているような気分になれる。食材を送って日本食を味わってもらいながら、アフターコロナでは日本に来ていろんなことを楽しんでください、というメッセージにする。国だけでなく、地域や企業のにとっても大事な取り組み。

5. 観光産業は非常に大事になってくる。国内の観光需要もあるが、コロナをしっかり抑え込めればインバウンドを復活していきたい。
  富裕層をどう日本に来てもらうかは、アジアをはじめとして東京に2~3度来た後は、北海道や沖縄の日本の地方を味わいたいニーズもある。
  インバウンドを盛んにすることで日本全国に良い影響が出てくる。それだけで経済を取り戻せはしないが、大きな未来がある。地域で問題は起きているが、地域毎に対処していく必要があると考えている。

 

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株式会社観光文化研究所 井川今日子

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