「2022年05月」の記事一覧

2025年問題には、高齢者の“足”の配慮が必要

Posted on 2022-05-23

以下は、https://egolf.jp/column/47620/ の記事
「75歳を境にゴルフをプレーする人はガクンと減る」からの抜粋です。

―――
 「2025年問題」についての衝撃データが、ついに可視化されました。ゴルフ業界は急いで対策を立てる必要に迫られています。

 4月18日配信の「ゴルフ特信」(一季出版)が報じているものです。同紙はスポーツ庁の令和3年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」に回答した全2万人(18~79歳)のロー(生)データに着目。この1年間にゴルフ(コースでのラウンド)をした人1233人(ゴルフ特信のカウント)を1歳刻みで集計したところ、73歳が58件でトップ。70~74歳のいわゆる「団塊の世代」が含まれた層が、突出した巨大な山脈を形作りました。

 深刻なのは、75歳のところに出来た断崖絶壁です。後期高齢者となる75歳は20件と半分以下に激減。76歳以上は11、12、12、13件と79歳までどん底の数字が並びました。

 <中略>
 
 やはり「後期高齢者」の5文字は当事者に内外から大きな変化を迫る呼称であることは間違いありません。

 身内からはゴルフ場への“足”である運転免許証の返納を迫られ、年金生活で経済的な問題にも直面します。また自身の問題としては体力の低下を多くの人々が感じ始めるタイミングでもあります。
―――

2025年を迎えると日本の人口の年齢別比率が劇的に変化して「超高齢化社会」となります。社会構造、雇用、医療、福祉など、さまざまな分野に影響が出ることが必至で、2025年には約800万人いる団塊の世代が後期高齢者(75歳)となり、国民の4人に1人が後期高齢者という超高齢化社会となります。

先述の記事からすると、ゴルフ場にラウンドに出る年齢は73歳がピークで、75歳以降は劇的に減る。その理由は健康問題だけではなく、身内から運転免許証の返納を迫られる、という足の部分が無くなることも理由として挙げられていました。

『2025年』問題はゴルフ業界に限った話ではなく、観光業界にも当てはまる問題です。

インバウンド客が皆無の今、観光のメインターゲットは時間もお金もある国内のシニア客です。
シニア客ほど宿泊旅行仕様の大きな荷物を持っての移動が困難だったり面倒で、公共交通機関を利用するよりも、マイペースで気ままに回れるマイカーでの旅行が好まれます。
北海道や沖縄といった首都圏から遠くマイカーでの旅行ができないところでも、結局は空港や新幹線の駅からレンタカーをして旅行をする方が圧倒的でしょう。

それが、免許返納してしまうと、旅行で車を使うというこれまで当たり前であった選択肢が無くなってしまいます。
重い荷物を持って、公共交通機関の乗り換えをしたり、観光地を巡る位なら旅行をしない方がマシと考える高齢者は少なくありません。
自動運転車が出れば・・・という話題もありますが、日本で普及にはまだまだ時間が掛かるでしょう。

そうなるとパッケージツアーに参加するか、ドライバーとなる子供夫婦と一緒に旅行に行く等しないとならなくなりますが、これまで気の置けない間柄の夫婦や友人、もしくは一人旅で自由気ままなマイカー旅行を楽しんでいたシニア層にとっては窮屈に感じる方も多いはずです。

高齢者の運転は、いくらドライバー歴が長い方であっても、体力が落ち判断力も鈍り危険が伴いますので、団塊世代の免許返納には個人的には賛成です。
ちなみに警視庁のデータによると、令和3年の65歳以上の免許返納件数は約52万件で、なかでも70~74歳の返納件数は165千件あったことが分かっています。

団塊世代の旅行消費を止めないためには、高齢者の“足”への配慮が欠かせないことがわかります。

自治体レベルでは自治体内の高齢者に対して市営の交通機関の利用が無料になったり、タクシーの運賃割引や利用券を配布しているところもあるようですが、旅先に関する補助は聞いたことがありません。
都道府県をまたいだ旅行でも気軽にタクシーを使えるような制度が整えば、高齢者の旅行回数の維持・向上につながるでしょう。


コロナが落ち着きインバウンドが以前のように戻れば、国内の団塊世代が旅行しなくなることによって失った分を外国人旅行者で埋め合わせることが可能でしょうが、このような状態がいつまで続くかわかりませんし、一旦はコロナ以前のように戻ったとしてもまたいつ国境閉鎖のような事態になるかわかりません。

観光・旅行業界の市場規模を、国内だけでも賄えるような準備が求められるでしょう。

2025年を目前に控えた今、このような団塊世代誘致の策を観光地域レベルで取り組んでいく必要があると考えています。

 

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株式会社観光文化研究所 井川今日子

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G7の外国人観光客受け入れ状況

Posted on 2022-05-09

『外国人観光客、6月にも入国再開 まず団体客で政府検討 入国者数の上限引き上げ調整』
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA051360V00C22A5000000/?unlock=1
とのニュースがありました。

観光業界にとっては「ようやくか!」と息をつける喜ばしいニュースであることには間違いありません。

GoTo再開時期よりも前に入国再開時期の情報が流れるという恰好になりましたが、こちらの記事を見る限りは、

・2週間ほどの新型コロナウイルスの感染状況を見極めて、
・1日の入国人数を2万人に制限して、
・旅行会社の小規模団体旅行から再開
・入国者の待機期間が『不要』になるには、指定ワクチン(ファイザー、モデ ルナ等)の3回接種が条件(=中国製のワクチンがメインの中国は対象外)

とのことですので、FIT(海外個人旅行)客が入国できるようになるわけではありません。
以前のように街なかで中国人を中心とした外国人観光客を見かけるようになるまでにはもうしばらく時間が掛かる見込みです。

また、記事によれば「6月には他の主要7カ国(G7)並みに円滑な入国が可能となるようにさらに緩和していく」とのことです。

“他の主要7カ国(G7)並みに円滑な入国”がどのような状況を指すのか、日本を除くG7の日本からの渡航者や日本人に対する規制について最新情報を確認してみました。

■米国 入国条件あり/行動制限あり
 米国への入国(空路)に際しては、18歳以上の非移民である非米国市民に対し、ワクチン接種証明の提示が義務付けられる(一部免除あり。※)。
 また、ワクチン接種の有無にかかわらず、2歳以上の全ての旅客に対し、米国への「出発前1日以内」に取得した)新型コロナウイルス検査の陰性証明書が求められる。
 上記に加え、全ての渡航者に「宣誓書」の提出が求められる。

■ドイツ 入国制限あり
 日本からドイツへの入国は、欧州医薬品庁(EMA)によって承認されたワクチンの接種が完了してから14日間経過している者、ドイツ・EU加盟国・シェンゲン協定適用国国籍者及びその配偶者、並びに長期滞在許可所持者及びその配偶者等に限り許可する。ワクチン接種を完了していない場合は、ドイツ内務省が定める重要かつ必須な渡航理由を有していることを証明できる場合において、例外的に入国が可能となる
 
■英国 入国制限および入国条件・行動制限なし
 特に無し

■フランス 入国条件あり/行動制限あり
 日本からフランスに渡航する場合ワクチン接種済み(※)であれば、搭乗前の検査、到着時の検査及び到着後の隔離は不要。

 ワクチン未接種の場合は以下のいずれかが必要。
 ア 入国前72時間以内に実施したPCR検査又は入国前48時間以内に実施した抗原検査の陰性証明書
 イ 罹患した際に実施したPCR検査又は抗原検査の陽性証明書(陽性判明から11日以上経過しており、6か月以内のものであることが必要)

■イタリア 入国条件あり/行動制限あり
 新型コロナウイルス感染症の症状を発症していないことを条件に、イタリアへ入国するための公共交通機関に乗る際、デジタル又は紙のフォーマットで、以下の(ア)及び(イ)を提示すること。(ア)及び(イ)を提示すれば、入国後の5日間自己隔離は免除となる。

(ア)ワクチン接種証明書(※1)、治癒証明書(※2)又は陰性証明書(※3)
(イ)Passenger Locator Form(居所情報に関するデジタル又は紙のフォーマット)
 なお、上記(ア)を提示できない場合も、入国は認められるが、イタリア入国後、Passenger Locator Formに登録した住所で5日間自己隔離を実施し、隔離終了時にPCR検査又は抗原検査を受ける義務がある。ただし、6歳未満の幼児は、PCR検査及び抗原検査が免除される。

■カナダ 入国条件あり/行動制限あり
 新型コロナワクチンの接種を完了(※1。以下「ワクチン接種完了」という。)
 した渡航者は、入国時に、電子又は紙媒体でのワクチン接種証明書(翻訳を作成した場合は、原本も併せて携帯することが必要(※2))、渡航情報等必要事項を入力することにより表示される『ArriveCan』(※3)の受領証及びパスポート等を携行することにより、観光目的を含めカナダへの入国が認められる。

 参考)外務省 海外安全ホームページ 令和4年5月6日(午前6時更新)より
  https://www.anzen.mofa.go.jp/covid19/pdfhistory_world.html


このように、基本的にはワクチン接種が完了していれば、PCRや抗原検査の必要も、隔離期間も無く観光目的の入国が出来るようになっています。

翻って日本の入国制限です。
―――
外国人の新規入国については、原則として全ての国・地域からの新規入国を一時停止し、「特段の事情」がある場合に限り、新規入国を認めることとしているところ、下記(1)又は(2)の新規入国を申請する外国人については、日本国内に所在する受入責任者が、入国者健康確認システム(ERFS)における所定の申請を完了した場合、「特段の事情」があるものとして、新規入国を原則として認めることとなります(観光目的は認められません。)。
(1)商用・就労等の目的の短期間の滞在(3月以下)の新規入国
(2)長期間の滞在の新規入国

参考)厚生労働省 外国人の新規入国制限の見直しについて
 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00341.html
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と先述のG7各国と比較すると、雲泥の差があることがわかります。
第一には、観光客を受け入れている国と受け入れていない国 という大きな壁がありますし、G7並みの円滑な入国を達成するには撤廃すべき制限が沢山あるのでしょう。

日本国内の旅行状況をみると、先週の3年ぶりの行動制限のないGWを境に大分回復してきたように感じられますが、インバウンドに関してはゼロからの(むしろマイナスからの)スタートであることを改めて感じます。

日本の水際対策の規制緩和が進めば、外国人観光客は増え続けるでしょう。
特にいまの20年ぶりの円安・ドル高水準が続けば、日本を旅行先に選ぶ外国人観光客は少なく無く、国内の観光事業者にとっても外国人観光客がお金を落としてくれる絶好の機会でもあります。

インバウンド客が増えることは外貨獲得にも繋がり、日本の観光業界にとっても非常に喜ばしい事です。

しかしながら、恐らくは日本がG7並みの入国制限に至るには、規制緩和と規制強化を繰り返し徐々に慎重に進めて行くことが考えられます。
外国人観光客が入国するようになれば、新たな株の感染流行が進むことも考えられますし、マスク着用の義務すら撤廃されたような国からの観光客が、マスク着用が“義務”よりも“定着”している日本で滞在することで日本人とのハレーションが起こることも考えられます。

完全な海外からの個人旅行(FIT)の再開には一進一退を繰り返しながらの規制緩和が必要となるでしょう。

このことを踏まえながら、海外観光客の入国状況の動向に注意を払い、受け入れに態勢を整えながらも、やはり当面は国内観光客の集客に注力することが求めらそうです。

 

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株式会社観光文化研究所 井川今日子

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